ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「水族館行きたくない?」
「あっ、行きたい!!」
「ちょっと遠いけど、めっちゃ綺麗だから!!」
そう言って、運転をし始める。
「ってか!!ナビ設定しなくていいの?」
「うん、分かる。」
「すごいね。」
「地元だからね。」
そうだったんだ。
また1つ、ユッキーについて知ることができた。
それなのに…
どうしてそんなに、悲しい顔をしているの?
さっきの明るい笑顔が嘘のように曇った表情…
アタシは、どうしたらいいの?
「美優ちゃん、夏が嫌いって言ったよね?」
「うん。」
「俺も。」
「え?」
「俺も、夏なんか大嫌い。」
そう言ったユッキーの顔は、曇っているとかそんな次元の話ではなく、無だった。