ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
「俺は…」
言葉に詰まるユッキーの顔には、笑顔が消えていた。
その姿は、確かに人形のようだと思う。
「アタシはユッキーのことを知らないから。
アタシには、ユッキーはキラキラして見えるけど。少年みたいにさ。」
フォローするつもりだった。
元気のないユッキーを、フォローするつもりだったんだ。
「俺は、過去に捕われた醜い人間だよ。」
アタシは汚い。
ユッキーがそう言って打ち明けてくれたのに、アタシも同じだ、とは言えなかった。
アタシも、過去に捕われた人間だと、言えなかったよ…。
「美優ちゃんは、本気で人を好きになったことってある?」
「さぁ…。思い出せない。ってことは、ないのかもね(笑)!!」
「その人が、死んでしまったら…」