愛しいキミへ
次の日─
久しぶりに3人で登校した。
途中で、悠兄は違う道へ・・・高校へと向かう。
下校も時間が合えば3人になった。

俺と沙菜の二人きりの時間は極端に減った。

そんな減った時間の中で、沙菜の話は悠兄のことばかりだった。

「悠ちゃんって結構可愛いとこあるんだよね。」

「友達に自慢しちゃった!みんな超〜羨ましがってたぁ♪」

「明日、悠ちゃんと遊園地行くんだ〜♪」

隣で楽しそうに、嬉しそうに話す沙菜。
その姿にイライラしてしまった。

そんなに悠兄の話ばっかりすんなら、俺といないで悠兄に会いに行けよ・・・

沙菜の明るい言葉に対し、適当に返事をしていく。
そんな俺の姿に、沙菜の表情は曇ってきた。

「雅樹…。ちゃんと話聞いてるの?」
「聞いてるよ。」
「…なら良いけど。」

納得しきれていない様子で、話すのを止めて、何かを考えだす。
不機嫌な表情。
・・・俺にだって、笑顔見せろよ。
──ムカつく。

「あのさ。俺なんかといないで─」
「明日の遊園地っ!雅樹も一緒に行こっ!」

文句の言葉にかぶさった、沙菜の明るい誘い。
急な誘いに俺は拍子抜けする。
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