愛しいキミへ
違和感
由香利との付き合いは順調に続いていった。
気が付くと、季節は巡り、高校2年生が終わりを迎えようとしていた。
もうすぐで由香利と付き合って2年だ。

「もうすぐで2年だね♪」

学校が終わった帰り道。
駅前にあるファーストフードの店に向かっていると、にっこりと笑顔を見せて、嬉しそうに由香利が言った。
そんな彼女を見て自然と、顔がほころぶ。

付き合いたての頃は、罪悪感ばかりだったし、一緒にいることが不自然に思えて、なかなか笑顔をむけることができないでいた。
好きにならなきゃ!・・・そんなことばかり考えて。

けど、沙菜と悠兄との距離が開き、偶然会う以外に会うことがなくなって、2人のことを考えないでいれるようになった。
由香利との時間が自然なものとなっていた。
そして、一緒にいればいるほど、彼女の健気さに惹かれていった。
『好きになったかもしれない』
そう思うほどに・・・

「もう2年も経つんだなぁ~。その日は何したい?」
「そうだなぁ…。記念日の当日って学校あるんだよねぇ~…。」

少しうつむき考える由香利。
2年か・・・
こうやって2年も付き合えてるのは、由香利のおかげなんだよな・・・

「なぁ。何か欲しい物とかある?」
「え?」
「記念に…プレゼントするよ。」

感謝の気持ちを込めて・・・みたいな感じかな


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