来る来る廻る
店では最高の役付き、責任は重大だったが、給料も上がり、部下を思うように動かす事が出来る。
そぅ、私は小さなファミレスの女王になった…。
職種は違っても、女王の子は女王…。
横に王様がいない、寂しい女王…。
メガトンは女王になりました…。
年に二度、春と秋に、私は母と旅行した。
観光と言うよりも、リウマチの母を温泉に浸け、痛みを和らげる為の治療旅行だった。
30歳の秋、旅行会社に申し込みの際、母が言った。
「ひなこ、今回は1人追加だよ。3人分買って来なさい」
「???」
1人追加?
2人の世界に加わる人など、この世に存在したかしら?
いったい誰?
不思議な顔をしている私に、母は照れ臭そうに言った。
「お父さんも行くって言ってるから」
お父さん?
もう半年以上も会っていなかった。
そうなの、一緒に行くんだ!
三人の家族旅行…もう何年振りの事だろう…。
遠い遠い昔、私がまだ幼かった頃、週末に三人で何回か旅行した事があった。
まだ、父に別の家があると知らなかったあの頃…記憶もうっすらあるだけの…ボヤけて残る温かな思い出の宝物…。
そぅ、私は小さなファミレスの女王になった…。
職種は違っても、女王の子は女王…。
横に王様がいない、寂しい女王…。
メガトンは女王になりました…。
年に二度、春と秋に、私は母と旅行した。
観光と言うよりも、リウマチの母を温泉に浸け、痛みを和らげる為の治療旅行だった。
30歳の秋、旅行会社に申し込みの際、母が言った。
「ひなこ、今回は1人追加だよ。3人分買って来なさい」
「???」
1人追加?
2人の世界に加わる人など、この世に存在したかしら?
いったい誰?
不思議な顔をしている私に、母は照れ臭そうに言った。
「お父さんも行くって言ってるから」
お父さん?
もう半年以上も会っていなかった。
そうなの、一緒に行くんだ!
三人の家族旅行…もう何年振りの事だろう…。
遠い遠い昔、私がまだ幼かった頃、週末に三人で何回か旅行した事があった。
まだ、父に別の家があると知らなかったあの頃…記憶もうっすらあるだけの…ボヤけて残る温かな思い出の宝物…。