いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

突然、握られていた彼の手が力を失って。

手綱を握ったまま振り返るあたしの目の前で。

まるでコマ送りでも見ているかのようにシュリの体がゆっくりと馬上から落ちていく。


「シュリ! シュリ! 止まって! 止まってったら!」

あたしは必死で手綱を引く。

馬はブルブルと大きく顔を振ると、滑るようにして足を止めた。


急いでそこから飛び降りて、転げそうになりながら仰向けに倒れたシュリに駆け寄る。


「しっかりして! シュリ!」


彼の頭を抱き上げる。

その指を何かがすり抜けた。


見たことある。
触ったこともある。

金色に輝くような砂のような細かな粒子?


「星砂……!」


シュリの頬に小さなひび割れを発見する。

そこから砂の結晶がポロポロとこぼれだしていた。


どうなってるの?
どういうことなの?


シュリに何が起きてるって言うの?
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