ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】

#04 見えない壁 ~From エリ~

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「エリ、着いたよ」

バックで車庫入れし、ギッとサイドブレーキをかけた。
シンの愛車の時計を見ると、3時6分と表示している。

……ほぼ約束の時間に着いた。

車から降り、身仕度を軽く整え、おみやを持って、シンの後を歩く。


「うわ……………」
思わず溜息混じりに感嘆の声が漏れる。

何?この家?

閑静な住宅街に佇む、どの家よりも際立つ大邸宅………。

“家”と言うより、“屋敷”と言った方がしっくりくる。

新しい家ではないが、外観は和と洋がうまくミックスされてるというか……モダン?ってゆーのかな?

ああっ!んも~バカバカ!ボキャブラリが足りないばっかりに………。
何て表現したらいいんだろ………。

とにかくデカイっ!
ウチ何個分だろう………?
二世帯どころか三世帯、いや四世帯も住めるよ、このウチ………。

そうこうしてるうちに、シンにエスコートされ、入口へと続くプロムナードを歩く。

そこから見える庭は、純然たる日本庭園、そのもの……。

高級料亭みたい………。

池もある……鯉とかいるのかな?
あ………ドラマとかでお見合いのシーンに出てくるアレ!………そうそう、“ししおどし”!
ししおどしのある家があったなんて………。


それまで穏やかだった脈拍が、感覚が麻痺しそうな程小刻みに打ち、息苦しくなってきた。

………大丈夫か?アタシ?
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