ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「プロポーズした時は、一緒にクリスマスイブ、過ごせたの?」
「………実は、たまたま入った駐車場が仙台港近くのラブホで、そのままなだれ込もうかと思ったら………」
―――――――
「………エリ、今夜ここに泊まる?」
「―――――ゴメン………折角いいムードだったのに………あの、アタシ……」
エリが口篭り、恥ずかしそうに俯く。
「――――――明日、午後から東京で美容の研修なの………その上………アレで………」
「アレ?………って何?」
指先を揃え、俺の額を軽くペチッ!
「ってっ!」
「…………だから………月のモノ!言わせないでよっ!」
「……………あ……わかった」
2分位考えて、やっと気付いた。
女姉妹(きょうだい)、おふくろ、ばあさんって、家族の半分以上女の家族なのに、疎い俺。
「……………じゃあ………しゃあない。今夜は帰るか………」
「……………ゴメンね………」
そういって、エリが俺の頬にキスを落とした。