ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
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「―――――“シンクロニシティ”」
「えっ?」
つい、プロポーズした夜の事をまた思い出していた。
月のモノがあったのに、送り狼に変身出来なかった自分を、赤ずきんに出てくるマヌケな狼と重ね合わせていた。
「………シンクロ………ニシティ?」
「ほら、水嶋がさっき“シンクロ…”って思い出せずいた言葉ですよ」
「………あ、ああ………」
うっかりしてた。
ああ………シンクロニシティ………。
そうだ、そうだ………そうだった。
「シンクロニシティとは、ドイツの心理学者で、精神科医でもあった、カール・ユングが提唱している事象のことで、んー、そうだな………色んな偶然が重なる、単なる「偶然の一致」じゃなくて、非因果的な複数の事象の同時発生、あるいは普遍的な事象を作り出す力の連続性……だと言っていたのが彼なんだ。“共時性”とも言うよ」
さらっと、そして、爽やかに説明してくれる。