ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
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「衣理、ここでいいの?」
西公園で桜吹雪を見た後、一番町のアーケード街やフォーラスなどをウィンドウショッピングしながら、仙台駅までお喋りしながら歩いてきた。
栞とチャコはこの後仕事、アタシは今日一日お休み。
仙台駅西口前のペデストリアンデッキにて、アタシたちは、またしばしの別れ。
「うん、今日はゴメンね。泣いちゃったりしてさ………」
「いいんだよ~。てか、あたしこそゴメンね。プロポーズされて幸せ絶頂ってのにあんなこと言って………」
「ううん………」
アタシは首を大きく横に振った。
「栞、チャコ、ありがとね。嬉しかった………アリガト」
二人に深く頭を下げた。
「ガマンしちゃダメだよっ!!泣きたいときは泣けばいいじゃない!!あたしもチャコも、衣理には幸せになってほしいと本気で思っているんだからっ!!」
そう言って、栞はアタシを抱きしめた。
「衣理!!カレと、しっかり向きあって。両眼開いて相手をよく見て。そして、自分を見失わないようにね………」
肩に啜り泣く声。
―――――栞、泣いてる?