ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
#05 CRY 哀 CRY
―――――結局、あの夜。
シンからの連絡はなかった。
“連絡する”って言ってたのに………。
アタシから電話してもよかったんだケド、仕事だって言ってたし………。
試験終わってからも、来月の定禅寺Jazzフェスのイベントも任されてるみたいで忙しいコト話してたし。
あーあ。
また逢えない日が続くのかぁ………。
そんなコト考えながら、ベッドに横になったものの眠れず、タバコ吹かしてみたり、iPodに入ってる曲をランダムで聴いたり。
そうしてるうちに、ウチに朝刊を置いて帰るスーパーカブのエンジン音が聞こえた。
ケータイを開く。
デジタル時計を見ると、3時45分。
もう朝かぁ………。
ケータイを無造作に弄ってみる。
前にシンから貰ってたメールを眺めてみる。
画面には、頑張って入力した絵文字や顔文字入りのメール。
一通り読んだ後、アドレス帳を開いてみる。
ノブのケータイ番号―――――
昨夜のお礼しなきゃ………。
鼻緒直してくれて、傷の手当。
それに、シンのおかーさんに、ノブと一緒にいるところを誤解されずにスルーできたコト。
ノブの車でウチの近くまで送ってくれたコト―――――
お礼って………何すればいいのかな?
元カレとは言え、こーいうトキはどうしたらいいんだろ………?
悩む………。