2LDKのお姫様

静かな部屋



忙しく蠢く都会でも、この空間だけは、小鳥の囀りさえ聞こえる静けさ。



だから互いに何かしていないと、呼吸の音や足音まで相手に聞かれてしまう。



「…………」



話すことが何も無いのは少しつまらないかもしれない。



ふと立ち上がり彼女のいるカウンターの方へ向う。



しかし……



「がー、がー」という



物凄いお姫様の鼾が部屋に轟き



「くす……」



と彼はつい笑ってしまった。





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