2LDKのお姫様

『…………、』



黙々と調理する中、彼が近づくのは直ぐに分かった。



「…………」



後ろに立つと、彼女は慌てて振り向くものだから、手には包丁を持ちっぱなしである。



『…………』



彼の驚く表情を見てから、恥ずかしそうに包丁をまな板に戻した。



やはり会話がない2人。



ここでは何と言って話し掛けたらよいのか。



迷いに迷ったあげく、彼女の頭にポンポンと手を置く。



『………』





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