2LDKのお姫様
6 冷や麦畑で捕まえて
「もう冷蔵庫何も入ってないじゃん」
冷蔵庫漁りは例のごとくホノカの仕事だ。シオリが部屋に籠もっているのを見計らって、それは行われる。
『…………』
しかし、キッチンを右から抜けると、柔らかい光が差し込むリビングから、やけに鋭い風にぶつかった。
「うわぁ……何」
「はあ……」
またか。そう思っていたのは何を隠そうしゅいろだ。
その可愛らしい二つ結びをした少女は何時もいつも、ソファーでぐうたらと寝ている。
「ちょっと見た、シオリ。凄いの。本当に」
まだ先ほど冷蔵庫から盗みとったイチゴを口にくわえていたホノカが、驚きの表情でリビングへ入った。
「そうですね」
しゅいろは何時もより10倍ほど冷めている。
「何々、何かしたの、言ったの」
面白い事が大好きなホノカの野次馬精神には執念深いものがある。
シオリが怒るのは珍しい事では無いが、あんな風になるまでは、あまり見たことが無い。
しかも今回、隣りの大は大学のサークル活動やら何やらで、一週間は家にいない。
イコール、今日はクローザーが不在なのだ。
*****
冷蔵庫漁りは例のごとくホノカの仕事だ。シオリが部屋に籠もっているのを見計らって、それは行われる。
『…………』
しかし、キッチンを右から抜けると、柔らかい光が差し込むリビングから、やけに鋭い風にぶつかった。
「うわぁ……何」
「はあ……」
またか。そう思っていたのは何を隠そうしゅいろだ。
その可愛らしい二つ結びをした少女は何時もいつも、ソファーでぐうたらと寝ている。
「ちょっと見た、シオリ。凄いの。本当に」
まだ先ほど冷蔵庫から盗みとったイチゴを口にくわえていたホノカが、驚きの表情でリビングへ入った。
「そうですね」
しゅいろは何時もより10倍ほど冷めている。
「何々、何かしたの、言ったの」
面白い事が大好きなホノカの野次馬精神には執念深いものがある。
シオリが怒るのは珍しい事では無いが、あんな風になるまでは、あまり見たことが無い。
しかも今回、隣りの大は大学のサークル活動やら何やらで、一週間は家にいない。
イコール、今日はクローザーが不在なのだ。
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