2LDKのお姫様
夕方。2人は朝と同じように、電車に揺られていた。
だが、今度はシオリも車窓からの景色を眺めている。彼を眺めるのも良かったのだが、今はこの街におちる夕焼けを見ていたかった。
大も、じっと街を眺めていた。時おりシオリの方を見ては、ニコニコとしていたが、この街の景色には心が引き寄せられる。
まるで海のようだった。夕焼けという潮が、コンビニも、家々も、銀行も、高く聳えるビルにまで満ちている。
反射で時おり見える、光る貝のような煌めき。子どもたちの帰る姿は、まるで泡沫のようだった。
2人は、じっと街を見ては、すぐにやってくるトンネルを惜しんだ。
見えなくなってしまう。でも、夜が来なければ朝は来ない。でも、ただ暗いだけでは、夜では無いのだ。
2人はその夜、久しぶりにお酒を嗜んでいた。
夜は、確かに暗い。トイレに行くのが怖くなる時だってある。
でも、好きな人と過ごす夜は、何だかワクワクして、温かいもので、この暗い空間が明けて欲しくないのだが、また新しい朝を一緒に見たいと思うような、時間なのだ。
それが、あのトンネルには無かった。
トンネルを抜けると、景色は一変した。
大都会。
その作られた夜の景色は、決して明けることは無いのだ。
だが、今度はシオリも車窓からの景色を眺めている。彼を眺めるのも良かったのだが、今はこの街におちる夕焼けを見ていたかった。
大も、じっと街を眺めていた。時おりシオリの方を見ては、ニコニコとしていたが、この街の景色には心が引き寄せられる。
まるで海のようだった。夕焼けという潮が、コンビニも、家々も、銀行も、高く聳えるビルにまで満ちている。
反射で時おり見える、光る貝のような煌めき。子どもたちの帰る姿は、まるで泡沫のようだった。
2人は、じっと街を見ては、すぐにやってくるトンネルを惜しんだ。
見えなくなってしまう。でも、夜が来なければ朝は来ない。でも、ただ暗いだけでは、夜では無いのだ。
2人はその夜、久しぶりにお酒を嗜んでいた。
夜は、確かに暗い。トイレに行くのが怖くなる時だってある。
でも、好きな人と過ごす夜は、何だかワクワクして、温かいもので、この暗い空間が明けて欲しくないのだが、また新しい朝を一緒に見たいと思うような、時間なのだ。
それが、あのトンネルには無かった。
トンネルを抜けると、景色は一変した。
大都会。
その作られた夜の景色は、決して明けることは無いのだ。