2LDKのお姫様
問題の夕方。
「ただいま……」
静かに帰ってきた彼。
何と話し掛けるか考えたのだろう、頭を少し擦っている。
「………」
しかしおかしいことが1つ。
家に帰ってくるといつも彼女が出迎えてくれること
別に喋りかけてはくれないけど……
「ただいま……」
また囁くが彼女の返事はない。
もしかすると、彼女は怒っていて無視されているのかもしれない。
すかさず腕に着けていた時計に目をやる。
「まだ5時……」