2LDKのお姫様

『お疲れ様でした……』



結局あれから、片付けに1時間もかかってしまい



2人が落ち着いた頃にはもう11時を回っていた。



「結構時間かかったね……」



とりあえず、シオリが持って来たお茶を飲む。



『………ぅん……』



小さく頷いた。



「今日は珍しく暖かいよね」



『………ぅん……』



やっぱり、二人きりで静かになるとシオリは喋れなくなる。



しかし



喋らないと……嫌われてしまう。



『お昼……何食べたい?』



話題があって良かったとホッとして、彼女は胸を撫で下ろした。



「………………」



悩む。



『……………』



シオリは大の、その悩む顔が結構好きである。



『何でも良いわよ……この前、買い物したから』



しかし、そうは言われても案外見つからないモノ。



「じゃあ……お好み焼きは………大丈夫?」






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