この想いがキミに届きますように
「コーヒーでいい?」


キッチンでカチャカチャと飲み物の準備をしている母親。


「ん…」


俺は短く返事をし、ソファーに腰を降ろした。


部屋の中はだいぶ片付いていて几帳面な俺と姿が重なった。


部屋を眺めていると母親が熱いコーヒーを持って来て、俺の目の前のソファーに座った。


「で、要件は何かしら?」


無表情のまま母親が口を開いた。
そんな母親を見て胸が締め付けられてる様な気分になる。


俺はコーヒーを一口含み、重い唇を開いた。
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