Magical Moonlight
 1ヶ月前の満月の日の夜、私の前に、1匹のネコが現れた。そのネコは、実は、杉峰君の変身した姿だった。

 あれは、夢だとばかり思っていた。でも、朝起きた時に着ていた私の服には、あのネコ ― アンタレスの毛がついていたんだ!

「満月の光を浴びると、猫(アンタレス)になる」彼はそう言った。ということは、…このままじゃあ、アンタレスに変身しちゃうってこと!?


 不良グループの人たちも、杉峰君に気付いたようだった。

「なんだおまえ?」

「こいつ、杉峰じゃないか?」

「あの、優等生の?」

「優等生の坊ちゃんが、こんな時間にこんな所で何やってるんだ?」

「俺たちと張り合おうってのか?やめておけよ!」

 でも、杉峰君は、彼らの声には耳を貸さなかった。

「彼女を離してもらおうか」

「なんだと?」

「聞こえなかったのか?彼女を離せって言ったんだよ」

冷ややかな目で、不良たちを見ている。

「優等生だからって、俺達に逆らう気か?」

「やっちまえ!」

不良たちが、杉峰君めがけて襲いかかった!
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