サンタクロースに恋をする
『一緒に来て...って言ってくれて本当に嬉しい。
でも、今は行けない。』


『なぜですか? 』


『ロイのサンタクロース、本当に立派だった。それにあたしは釣り合ってない。』


ロイの瞳がみるみる潤んで涙が零れそうになる。


『僕は...そのままのあなたが好きなんです。』


『ごめ...ん。あたしもっとしっかりして、自分に自信が持ててからロイと一緒に行きたい。』


(だから。)


『来年のクリスマスまで待って下さい。わがまま言ってるのは分かる。今の自分じゃ胸張ってロイの恋人って言えない。』


一呼吸置く。


『待ってて...なんて自分でもずいぶんわがままだと思う。前のあたしならこんな事言えなかった...でも本当にロイの事好きだから...。』
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