ケータイ恋愛小説家
蓮君があたしの涙に驚いている。

あたし自身も蓮君の言葉によって初めて、自分が涙を流していたことに気づいた。


「なっ……泣いてないしっ」


あたしは慌てて手の甲で涙を拭った。

もぉ……何やってんの?

蓮君にちょっと冷たくされたぐらいで、涙まで出ちゃうなんて……。

もぉやだ。


「ああっ! もぉ!」


蓮君は口に咥えかけていたタバコを乱暴に放り出すと、その手であたしを引き寄せた。


あたしはすっぽりと蓮君の腕の中にいた。


れ……蓮君?





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