ケータイ恋愛小説家
「適当にどっか座って」


大輔君の部屋というか……男の人の部屋というのは、想像以上に汚かった。

足の踏み場もないとはまさにこのことだ。


「どっかって言われても……」


あたしはキョロキョロとあたりを見渡す。

8畳ほどのスペースは、雑誌や漫画、衣類、DVDその他もろもろで埋め尽くされている。

唯一座れそうな場所は……

あたしはチラリと視線を動かす。


「あ。ベッド座って良いよ?」


大輔君に促されたあたしは、そのままストンとベッドに腰掛けた。


へ?


ベッド?


これって、ヤバくない?

ひょっとして……確信犯なんじゃないのか?

と思った瞬間……

あまりにも自然に大輔君もあたしのすぐ横に腰掛けてきた。

そして、あたしの方を見つめながら口を開く。
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