ケータイ恋愛小説家
蓮君があたしの腕を持って、そのスプーンの先を自分の口にパクリと入れた。


「うん。うめーな。これ」


そう言って、にっこり微笑む蓮君に、なぜかあたしは急にドキドキして俯いてしまった。


蓮君……。

そんな笑顔、反則だよ……。




「蓮哉じゃん」


その時突然背後からそんな声がした。


見ると、大学生ぐらいのカップルが立っていて、男の人の方が蓮君に声をかけていた。

一緒にいる彼女らしき人もニコニコ笑っていて、どうやら三人は知り合いのようだった。


「ふーん……」


男の人がわたしの方を見てニヤニヤ笑ってる。


「今日はまたえらく可愛い子連れてんじゃん」


え?

か……可愛い?

お世辞だとわかっていても、そんな言葉に思わず反応してちょっとうれしくなっちゃうあたし。


そして、彼はさらにあたしの顔を覗き込んで言った。


「でも、気をつけた方がいいよ? こいつ手、早いから」


「えっ……」
< 78 / 365 >

この作品をシェア

pagetop