ケータイ恋愛小説家
「んなんじゃねーよ、こいつは。 いいからもう行けよ、お前」


蓮君はあからさまに不機嫌そうな顔つきであたし達の関係をあっさりと否定した。


うっ……。

そんなにはっきり否定しなくても……。

あたしなんかと誤解されるの、そんなに嫌なのかなぁ。


「はいはい。あ……例の件、よろしくな」


そう言ってポンポンと蓮君の肩を叩くと、その男の人は一緒にいた彼女とお店を出て行ってしまった。



その後ろ姿をぼんやり眺めているあたしに蓮君は言った。


「あのさぁ……。お前、『可愛い』って言葉に弱いでしょ?」


「え?」


いきなりそんなこと言われて焦るあたし。

たしかに弱いと思う。

『可愛い』なんて、普段言われなれてないから、ついつい過剰に反応して喜んじゃうもん。


「大輔に言われた時も、めちゃくちゃうれしそうな顔してた」


「そ……そうかな」


それって、蓮君の部屋で数学を教えてもらった時のことだよね。

たしかに『可愛い』なんて言われて、あからさまに喜んでたかも。


「そういうの、いちいち真に受けんなよ」


「え……」
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