リボンの指輪
あたしが頼を、見た目だけで、経験豊富だと思っていたくらい。




それは、幼馴染みだって理解の及ばないところだ。




仕方ない。




「好きな奴は、一回に1人しか作らないって決めてるし。浮気はしない」




「でも香織は……」




「浮気はしてねぇ。でも、違った。何かが」




この琢磨くんが、全て本当なら、いい子なはずなんだけれど。




確かに、香織の友達で、悪い子はいるわけがないんだけど。




「俺の香織に対しての“好き”は、そういう“好き”じゃなかったってこと」




「そういう“好き”って、彼女としての…?」




「幼馴染みでいれればいいやと思ってたのに、香織とは連絡つかなくなるし」




琢磨くんが、苦笑いを浮かべながら、ちらっと香織を見る。




香織もこっちが気になって仕方ないのか、ちらちらと、不安そうに、視線を送ってくる。
< 267 / 276 >

この作品をシェア

pagetop