君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「なぁ美羽ちゃん、」
「はい、」
「俺と付き合わない?」
「…」
あたしは食べようとしたパスタを落としかけた。
今、何て言った?
あたしは何て返事したらいいか分からず黙ってしまった。
自分の気持ちが分からない。
あたしは井川先輩の事どう思ってるの?
さっきまた一緒にここに来たいって思ったけど、
あたし、井川先輩の事好きになったの?
分からなかった。
初恋もまだなあたしは、
これが「恋」って気持ちだって事に気付かなかった。
だけど、
「あの、あたしなんかでいいんですか?」
「俺美羽ちゃんとだったら長続きすると思う。俺、今まで自分から好きになって告った事ないんだけど、」
「そうなんですか?」
「うん。告られて、振ったら可愛そうかなって感じで付き合って、でも結局グダグダで終わりって感じだったんだけど、美羽ちゃんの事はちゃんと愛せると思う。」
「井川、先輩、」
「でも、美羽ちゃんが俺に同情して付き合ってくれる必要は無いからね。まだ2回しか会ってないのにこんな事言われてもって思うかもしれないけど、ちょっと考えてほしい。」