君がいた部屋~二階階段前倉庫~
井川先輩はパスタをおごってくれた。
井川先輩曰く、ここのパスタ屋はあんまり高校生に知られてないらしい。
「ここうまいだろ?俺のオススメ。」
井川先輩は得意げにそう言うと二って笑った。
「こんなに美味しいのに何であんまりうちの学校の人いないんでしょうね?」
「それは、俺がマズイって言ってるから。」
「えっ?!」
「だって俺が美味い言ったら皆来るんだよ。特に女子。そしたらせっかく見つけた憩いの場が台無しだろ?」
「なるほど。ってそれっていいんですか?」
「いいじゃん!だからあんまり広めないんなよ?その代償でおごってんだから。」
今までのあたしだったら、こんな話聞いたらすぐに怒って出て行ってた。
でも
今はそんな気にならなかった。
それどころか
内緒にしてまた井川先輩と来たいって思った。