君がいた部屋~二階階段前倉庫~
あたし達は目的もなく歩いた。
っていうのは、翔太が連れて行ってくれようとする所に全部学校の人がいて入れなかったから。
だからずっと歩く事にした。
それだけなのに、幸せだった。
ずっとずっとこうして歩いていたかった。
そしたら偶然見つかっちゃた。
「美羽?」
あたしは振り返った。
「桜!!」
桜はあたしの方に駆け寄って来て、途中で止まった。
「…」
「桜?どしたの?」
桜は、まるで時間が止まったかのように動かなかった。
「桜…?」