正義〜Jasuthisu〜
 
なんて言って気持ちを伝えようか…


元ホストの恭介故の悩みであった

色々な甘い言葉、洒落た言い回しが頭に渦巻くが、どれもかつて仕事で使っていた言葉のせいか、全てが薄ぺらく嘘に感じてしまう…

こんなんやと相手に伝わらん…

心でそう呟きながら新しい煙草にまた手が伸びる

元来ヘビースモーカーの恭介だが考えに集中するとまた煙草が増える


いつの間にか灰皿も山盛り状態である



考えても仕方無い、出たとこ勝負やなと恭介の気持ちが固まった時には既に空の煙草が二箱転がっていた…


ちょうどその時を待っていたかのように恭介の携帯が鳴り響く


こんな時間に誰や?

確かに時計は午後十一時を指そうとしていた

携帯を手に取りディスプレイを見た瞬間、恭介の胸が大きく鼓動していた


久美子からであった… 
 
 
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