秘密の片思い

2人の時間

「送るよ」


「いいのっ 郁斗ビール飲んでいるし」

大きくかぶりを振る。


「あっ・・・でもまだ一本も飲んでいないさ」


「だめだよ!何かあったら選手生命がなくなっちゃうかもしれないよ?」

愛は「じゃあ」と言って微笑んだ。


「愛・・・・」


(愛は泊まってくれると思い込んでいた・・・)


郁斗は玄関に向かう愛を後ろから抱きしめた。



「い、郁斗っ!」


突然腕が回って愛は驚いた。


「帰ってしまうのは寂しいけど我慢するよ 仕事がんばれよ 送ってやれなくてごめん」


耳元で郁斗の声を聞いて愛は息が止まった。



< 152 / 646 >

この作品をシェア

pagetop