秘密の片思い
明日は退院だからと日菜に来てもらわなかった。


(今日は土曜日だしね 千波様、じゃなくてお義兄様も仕事が休みのはず)


調子の良くなった愛は退屈だ。


(今までこんなにのんびりした事はなかったな・・・)


今頃、郁斗は両親に会っていると思うと自分まで落ち着かない気分になる。


日菜が持ってきてくれたサスペンスの小説も郁斗が気になって進まない。


内容が頭に入らず何度も同じところまで戻って読み返してしまう。


「はぁ~」


小説を読むのをあきらめてベッド脇の台に本を置いた。



< 292 / 646 >

この作品をシェア

pagetop