秘密の片思い
病室に戻るとドアの音で愛は目を覚ました。


睡眠が浅くちょっとした物音で目が覚めるようになってしまった。


心が不安定なのだろう。


日菜がにこにこして近づくと愛は嬉しそうに笑った。


「日菜、また来てくれたんだね?」


愛の覚えている日菜より少し大人っぽくなった日菜だがほとんど変わっていない。


「うん 愛ちゃんと話をしようと思って」





病室に笑い声が響いた。


日菜が面白おかしく話をしてくれたからだ。


「日菜、兄貴 ちょっとマンションに戻ってきていいか?」


自分がいない間、病室にいてくれると助かる。


「もちろん 少しゆっくりして来ていいよ」


千波は郁斗にゆっくりするように言う。


愛の看病で疲れている郁斗を心配しての事だ。





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