秘密の片思い

* * * * * * *



夕食には千波と日菜も呼ばれ賑やかな食事になった。


なんとなく居心地が悪いのは愛の思い込みだろうか・・・。


日菜はうまく朝倉家に溶け込んでいる。


それは日菜が赤ちゃんの時からの付き合いだからだ。


記憶が思い出せない自分は自分自身が別の世界の人間のように感じる。


「っ・・・・」


突然、頭にズキンと痛みが走り愛は息を殺した。


箸が手から離れ皿に当たりバウンドして床に落ちた。


その場がシーンと静まり返った。


「愛!?」


「愛ちゃん?」


郁斗と日菜が愛を見る。


「ご、ごめんなさい」


愛はイスから降りて落ちた箸を拾おうとかがんだ。



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