秘密の片思い
窓の外の景色は緑が濃くなった。


ぼんやりと愛は景色を見るしかなかった。


(帰りたい・・・・こんなの誘拐だよ・・・祐・・・ あたしは祐を怒らせちゃったんだ・・・)


昨日、郁斗と行ってしまったのはまずかった。





しばらくして車はきれいな町並みに入った。


「昼飯にしようか」


祐一郎は町営のパーキングに停めると言った。


ずっと座っていたから外に出て身体を伸ばしたい。


愛は喜んで助手席を降りた。


運転席から祐一郎は回ってくると愛の腰に手を置いた。


(祐・・・・?)


こんな親しげな仕草は初めてだ。


驚いたと同時に嫌悪感を覚えてしまった愛だった。




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