雨上がりの月夜に
そんな子が家の多額の借金の為に風俗で働いている。

知らない土地で、見も知らない客を相手に体を張って仕事をしている。

背負っているものの違いだ。

私は自分の家族を、両親を背負うほど生活に困っていない。
私は彼女の様に生きられるだろうか。
いくら考えても答えの出ない、ただ電車の揺れに心も揺られ、身を任せるしかできない自分の不甲斐なさに失望を感じた。

外の雨はまだ止まない。

その雨が私の心に一層染み渡っていった。
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