【短編】限りなく虚無に近い黒
高校のクラスメートである八幡 南へのいじめが表面化しだしたのは進級を間近に控えた二月の下旬の事である。


それまでにも幾つか嫌がらせみたいな幼稚なものはあったけど、二月に入ってからいきなりの激化だ。


嫌がらせの発端って言うのは僕は知らないが、激化の理由はクラスメートなら誰でもわかる。


事は一人のクラスメートの財布が盗まれた所から始まった。


体育の時間中、移動してる際盗られたのだ。


自己管理が行き届いてないと言えばそれまでだろうけど、残念な事に相手が悪かった。


盗まれたソイツは良くも悪くもクラスの中心人物で、率先して八幡に嫌がらせをしていた奴だった。
< 1 / 15 >

この作品をシェア

pagetop