きゃっちぼーる
 一哉は怒鳴り声を上げると息を止め、焦る気持ちを抑えようとしたが、興奮が、冷静な気持ちを一気に塗りつぶしていった。

 何処だ、何処だ、何処だ!

 鏡と男達の横に、バスケットボールが転がっているのが見えた。

 積まれた白いマット。埃っぽい臭い。

 体育館……倉庫。

「ちょっ、どうしたの!?」

 恵の問いを無視し、一哉は壁を突き抜け、体育館に向かい駆け出した。








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