月に問う
美月チャン、どうしたんだろう…?




俺の所まで来た美月チャンを頭の上に?マークが乗ったまま、見つめていると…




「キャッ!」




ドン…




突然の出来事に何が起こったのか一瞬解らなかったが、胸の中からほのかに甘い香りがした事によって思い出された。




美月チャンが目の前で足を滑らせ、勢い良く俺の胸に飛び込んで来たんだった…




やべぇ…




心臓がバクバクいってるんだけど…




今まで女に対してこんな気持ちになった事なんて
一度もない。




なんだ、この気持ちは…




「ごっ、ごめんなさい!」


美月チャンはゆっくりと胸の中から離れ、恥ずかしいそうに顔を背けた。




その横顔は耳まで赤く染め、恥ずかしそうにしている姿を見てるだけで純粋でかわいいなぁって思った。




なんかわかんねぇけど、こっちまで恥ずかしくなってしまいそう。




「あの、よかったら…これ使って下さい。」


さっきより頬がピンク色になった美月チャンは持っていた傘を差し出した。


< 14 / 67 >

この作品をシェア

pagetop