月に問う
とりあえず出てみると…




《もしも〜し、銀チャ〜ン?私、あさみ♪これから、会えないかなぁ?銀チャンの肌が恋しいんだよねぇ》




誰だっけ、この女?




『今日、ムリ!じゃっ…。』




相手に有無を言わせず、自分の用件を伝え、すぐに電話を切りそのまま電源も切った。




「彼女からじゃなかったの?」




心配そうに見ている美月チャンを「彼女なんかじゃない」って抱きしめたい気持ちでいっぱいだった。




でも俺には出来ないんだ…




こんな俺が触れてはいけないんだ…




汚れ(ケガレ)のない彼女に汚れた俺が触れてはいけないんだ…




だから、本当は好きになる事も許されない事なのかもしれないんだ…




でも、好きになってしまった…




『いや…彼女じゃない。』




俺の言葉に美月チャンは「そうなんだぁ」とまた小さく笑って、テーブルの上に置いてあった教科書やノートを鞄にしまっていた。




「あれ?美月、帰るの?」




棗が美月チャンの行動に気付いて話し掛けると…




「うん!そろそろ…。棗はもう少しいるんでしょ?」




その言葉に棗は「うん!」とにっこり笑って頷いた。


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