Sweet Candy
「白い。」


『そりゃぁ雪だからね。』

…違う息だょ。

と言おうと思ったけど、めんどくさくてやめた。


『…そうだ!アメ!あるょ。あげる。』


「…いつもありがと。」


昨日は確かイチゴミルクだった。
手のひらにある黄色の包装にはレモンと書かれていた。

口の中に広がるレモンの風味に自然の顔がほころんだ。


『みはる!危ない!』


雪で滑って前のめりになった体を淳の腕と指が引きもどした。


『ボケっとして、なんか嬉しいことでもあった?』


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