空色パステル

―未来へ...




一足お先に春が来た。



月日は流れて
今日は高校の合格発表の日。




あたしが目指したのは…
拓弥のいる、西高等学校。




自分の受験番号を確認する。

もう一度、心の中で願う。


最初で最後の神頼み。




お願い……
拓弥と同じ学校に行きたいの!!



深呼吸して貼り出された表を見る。


似たような数字ばかりでわからなくなる



その中で………



「「…あった!!」」


あたしと同時に叫んだ人。


声のした方を見ると、懐かしい顔が。




「……遼?」

「久しぶり…」



沈黙になる。



「遼も西だったんだね」

「…まあな、………わざとだけど」




二人揃って合格だなんて…
大波乱の予感………。




遼と離れて電話を掛けるあたし。




相手?


そんなの決まってるじゃん。


拓弥に、だよ。





プルルルル……

『―もしもし??』

「…拓弥??


あのね……あたし…




受かったよ!!」

『―おめでとう!!
よく頑張ったな~^^』




自然と顔が綻ぶ。


嬉しさと…
驚きと…


いろんな思いが詰まっていた。




笑顔のまま、高校の中に入る。


受験票を渡すと、それと引き換えに
A4サイズの茶封筒を貰った。



中身は高校入学案内やら何やらよくわからないものだらけ。





それより、拓弥と同じ高校に行けることが
なにより嬉しかった。






ダッシュで家に帰る。

お母さんが発表を心待ちにしているはず。





待っててね、お母さん…。








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