空色パステル


突然の出来事に、あたしとお母さんは開いた口が塞がらない状態。


「……ダメ…ですか…??」



お母さんは決心したように口を開いた。




「…私は賛成よ??
拓弥くんなら、美緩を大切にしてくれる気がするから…

その代わり、約束があるの


美緩を高校だけは卒業させてあげて??」



「はい!!
必ず幸せにします!!」





こうして、めでたく(?)あたしと拓弥は結ばれたのだった。





「…美緩、書けたか?」

拓弥の家で婚姻届を書くあたしと拓弥。



「はい、書けたよ★」

「……よし^^
じゃあ…美緩の入学式に出しに行こうな?」

「うん!!」


軽くキスを交わす。


「あ、美緩」

拓弥が思い出したように呼ぶ。


「な…何?」

「同棲しよっか」




は??


さらりと言ってのける。

同棲?!?!
早くない??


嫌じゃないけど……



「……嫌?」

「やっ……嫌じゃないけど…」

「じゃあ…」


拓弥はあたしの手を引っ張って、リビングに連れていく。



リビングには拓弥のお母さんと拓弥のお姉さん。




「あら、この子が美緩ちゃん??」

拓弥のお母さんが訊ねる。


「あっ…はい!!坂口美緩です!!
高校1年です!!」


拓弥のお母さんは笑顔になる。



「拓弥、可愛い子好きだよね^^笑

よろしくね、美緩ちゃん?」




拓弥のお姉さんが言った。

そして、笑った。


笑った顔が拓弥と瓜二つでドキドキした。

この姉弟はとても似てるな、と1人で思うあたし。


「なぁーにニヤけてんだよっ」

「あは、ニヤけてないよ~♪」


拓弥は真面目な顔に戻る。



「母さん、あのさ……

…俺と美緩、結婚するから。

それで同棲してもいいよな?」




拓弥のお母さんは一瞬驚いた顔をしたが、笑顔に戻る。



そして
「いいわよ」と言った。



二人で飛び上がって喜ぶ。




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