♥兄恋♥
でもその貯金箱を持つ手は悴んでいた。


おもちゃ屋さんについたときには、家族連れなどでにぎわっていた。

「うわー人がイッパイ!」

「はぐれるなよ!遼、愛乃。」

あたしたち三人は一通り店内を見回る。

お昼を過ぎると、店内から人がごっそり減った。

翔樹くんは遼と女の子用おもちゃのコーナーで考え込んでいた。

それを確認し、あたしは子供服コーナーで手袋と帽子とマフラーを見にいった。

翔樹くんは赤の服が多い・・・けど男の子用で赤はない・・・

結局、空色の少しかわいい手袋と帽子マフラーを買った。

会計をすませると、遼と翔樹くんが立っていた。


「何買うの?」

遼と翔樹くんはお互い目をあわせて、

「内緒。」
といった。


会計が終わっても豚の貯金箱が割れる音はしなかった。


「乃愛ちゃん。おなか空いたー」

もう、時計はお昼をだいぶ過ぎている

「今日は外で食べようか?」


「うん!」

「何たべたい?」

< 26 / 122 >

この作品をシェア

pagetop