幸せ色の贈り物
ふと辺りを見渡せば、どこもかしこもカップルだらけ。
ピンクオーラが漂う中、それにも負けずに輝くイルミネーション。
そんなキラキラな世界から視線を逸らすように、あたしは空を見上げた。
ゆったりと流れる雲から振る雪は、地面を白く覆ってく。
パラパラと舞う大粒の結晶は、あたしにだけは冷たく降り注いでいた。
“ホワイトクリスマスだぁ”
そう言ってはしゃぐカップルたちのすぐ横で、あたしは独り言のように繰り返す。
「だって、冬だもん…」
現実逃避をするように、何度も何度も繰り返す。
辛くなんかないもん…