幸せ色の贈り物
「チヅ、平気?」
しばらくの間、放心していたあたしに、すぐ傍にいた子が心配そうに顔を覗き込んできた。
その声にはっとして、咄嗟に笑顔を作った。
「あたしね?もう、フラれちゃってるの。だから、平気とかそういうんじゃ……」
視界が歪んでく。
声が上手く喉を通らない。
「な…んで、あた…し……。こくはくっ……な…んて、しなきゃよか…った……」
告白なんて、しなきゃ良かったよ…
そしたらきっと、最後までマサの傍にいられたのに…
笑っていられたのに…
しゃがみ込むあたしを慰める優しい声が聞こえる。
窓の外では、ザーザーと激しく音をたてる雨が、降り積もった雪を溶かしていた――…