幸せ色の贈り物
エレナの言葉に後ろを振り返る。
いつの間に来ていたんだろう?
知らぬ間に、あたしはそこにいた。
あの場所…
それは、すぐそこにあった。
たったの数歩先に。
「ごめん、ちづ。」
じっとあの場所を見つめていたあたしに、エレナの弱々しい声が降り注ぐ。
そして…
「3年前、あたしとちづが出会ったのは、偶然じゃない。」
「え…」
エレナは真実を話しはじめた。
「あたしね…まさやのいとこなの。」
「いとこ…?エレナが?」
「そう。あたしの母親とまさやの父親は兄弟。それから…さやかも。」
「え?」
「松野さやか。さやかの母親も兄弟。あたしたちみんな、いとこなの。」