幸せ色の贈り物





「ごめんね、ちづ。あたし、ずっと騙してた。まさやに頼まれてちづの友達になったの…。ごめん…ごめん。」


「エレナ…」


「ちづ、ごめんね。」


不器用なエレナ。


だからきっと、言えなかった。


マサに頼まれてあたしに声をかけたこと。


だからきっと、言わせてくれなかった。


あたしからの“ありがとう”


でも、知ってる。


あたしは知ってるよ?


あたしがエレナを大好きなように、エレナもあたしを大好きでいてくれてる。


だから、エレナは苦しかったんだよね?


辛かったんだよね?


ねぇ、エレナ?


だから言わせて。


「“ありがとう”」






< 23 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop