幸せ色の贈り物
ぽろぽろと涙を流し続けるあたしを、マサは優しく見つめていた。
そして、何も喋れないでいるあたしに、見覚えのあるものが差し出された。
「チヅに、プレゼント。」
そう言って手渡されたそれは
あの日のあたしの想いを乗せた、スケッチブック。
涙でぼろぼろな顔をマサに向け、首を傾げる。
「俺の、本当の気持ち。今度こそ気づいて。チヅ。」
優しい声で呼び掛けるマサが、あたしの手にそれを握らせた。
そんなマサを探るように、あの日は見せてくれなかった前のページに恐る恐る手をかける…