姫君諸君へ告ぐッ
夕食をすませ部屋に戻る。

そういえば明李、と思い出す。

怒っているかはわからなかったが謝らなければという意味不明な罪悪感が立ちこめる。

ベッドからでも手が届く机に手を伸ばして携帯をとった。

明李に謝ろうとリダイヤルを押した。

電話の相手は明李だけなのでリダイヤルでかかる。

『プルルルルルル…ブツッ』

「もしもしッ？明李？」

『何？どうしたの？』

怒っているのか、明李の感情はよく分からない。

「あ…あのさッ、今度の日曜日、映画行かないッ！？」

怒ってもいないのに謝ったらおかしいし、それに前々から明李が見たがっていた映画のチケットを持っていたため誘った。

いつもなら「どうせ一緒に見る人いないでしょ？いったげるッ」と答えるので少し楽しみだった。

が、予想を遙かに越えていた。

『無理、ブツッ』

強制的に切られ、しかも無理の理が途中で切れていた。

…「怒ってんのか？」

理解不能な明李の行動に苛立ちを覚えた。

「しかたない、真綾ちゃんか真宮先輩を誘うか。」

というもののチケットは３枚あったので二人と一緒に行くことにした。
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