姫君諸君へ告ぐッ
翌日、朝から気合いが入っていた。

女の子を誘う、という今まで無縁だったことに挑戦するからだ。

通学路で二人を見かけた。

真宮先輩と真綾だ。

二人は普段から仲が良く、いつも一緒にいるそうだ。

今がチャンス、そう思い走って行った。

「あのさッ」

二人の間に立ち、小さく声を出した。

「あーッ!宝城くんッ」

「おはようございますッ。今日はどうされたんですか?」

挨拶で個性の違いが分かる。

「…ぁのさ、コレ、見に行かない?」

ぴらっとチケットを出した。

「あら、偶然。」

真宮先輩は真綾と顔を見合わせて、クスッと笑った。

「さーっきね、この映画見たいーって話してたんだにゅんッ」

「え、じゃぁ、行ってくれる?」

「「うん。」」

可愛らしく声を合わせるとにっこり笑った。
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